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子供と写真 日常の記録

ZEISS Loxia 2.8/21

 レンズ交換式カメラを使う者の常として(異論はないですよね皆さん…)新しい画角を欲していた僕は、50mmの次に広角レンズを買うことに決めた。広角、いいよね。

 僕はα7IIのユーザーなのでまずはソニーEマウントの概況から。16mmから35mmまでをカバーする純正ズームレンズが2本、他メーカー同様にF2.8のものとF4のものがある→SEL1635GM SEL1635Z さらにSEL1224Gという超々広角ズームレンズも存在する。

上記のどれもが魅力的で、描写の評価も(価格も!)軒並み高い。中でも僕が気になったのはSEL1224G。なぜなら16-35についてはEOS-Mで同様の焦点距離をカバーするレンズをすでに持っていること、さらに同シリーズのユーザーとしてやっぱりLoxia 2.8/21の存在有りきで探し始めたことで他の単焦点が候補に入らなかったためだ。

 散々、もうほんとに散々、ネットで作例を探し見比べ店頭で本体を触り、楽しくも悶々と悩み抜いた結果、1224Gではなく、僕は50mmに続きまたしてもLoxiaを手に入れたのだった。

 

 

…というわけでようやく前置きを終える。Loxiaシリーズ最広角である21mm、スーパーマニアックな単焦点レンズのお話。今回のエントリはちょっと長くなる。

 

 個人的には28mm以下はもう「超」広角と呼んでいいと思う。21mmは超広角。ただ画角だけで言えば、実際はこれより広い(焦点距離の短い)単焦点レンズもたくさん存在していて、同じツァイスからだってBatisシリーズに18mmが鎮座している。

じゃあ表題レンズのなにが異質なのかって、Loxiaはやっぱりマニュアルフォーカスなのだった。スペック面では9群/11枚のレンズが詰め込まれており、これはLoxia 2/50のほぼ倍の数で(値段もほぼ倍)構成としては「Distagon」名となる。ちなみに50mmは「Planar」 35mmは「Biogon」で、要はレンズの性格に合わせた構成をチョイスしているのだろう。(レンズ光学についての知識を全く持ち合わせていないもので…)

またこの21mmはEマウント向け完全新規設計を採られているとのことで、「シリーズで口径を揃える」という前提があり、その中で描写性能を追求していくための結果なんだろうと思う。実際強烈な解像感と、びっくりするくらいの歪曲抑制が実現されている。50mmと比べやや全長が伸びているだけでこの写りとはもうたまらない。僕にとってはレンズのルックスと取り回しの良さは写りと同様に最重要だ。シンプルでカッコよくなきゃダメだ。

favorite

favorite

チューリップ型というのか、フード形状も気に入っている。

ロキシアロキシアうるさくて申しわけないが、AFを積まない潔さと、そこからくる小ささとシンプルさ、高精度なつくりの筐体、シリーズ通しての哲学のようなものにやっぱり惚れ惚れする。

お暇をもらって東京駅近辺を気楽に散歩してきた。すべて撮って出し&各種レンズ補正OFF。東京国際フォーラムは広角レンズを買ったら絶対に撮りに行きたかったスポット!

on Tokyo International Forum

on Tokyo International Forum

on Tokyo International Forum

on Tokyo International Forum 

on Yurakuchou

on Yurakuchou

on Tokyo station

on Tokyo station

"welcome board"

Tokyo station from "KITTE"

on Tokyo station

old bar

当たり前のことながら、広々とした画角で単純に撮っていて楽しい。F2.8を活かしてボケを狙うのも結構楽しめるし、(少ない経験で言うのは憚られるが)アイリスを絞ると特にシャープ極まりない写りになる。これは18万も高くないかもしれない。

 

ところでこのレンズ、試写するまでもなく感じたのがフォーカスリングがかなり重いこと。僕の感覚ではLoxia 2/50のそれと比べ2倍重い。店頭で触った時には気づかなかったので個体差か…?と思いつつもあまりにも差を感じるのでツァイスの公式サイトより質問を投げてみた。以下、僕とツァイスドイツのサポート氏とのやり取り要約。

 

ぼく)"21mm買ったよ!ところでこのレンズのフォーカスリング、個人的感覚では50mmの倍重いんだけど、これはどうなの?不具合の可能性もある?"

ツァ)"21mmは「フローティング」レンズデザインになっていて、50mmと比較してより多くの動作がフォーカス時に行われているんだ。超広角レンズでは、ある決まった距離(例えば風景写真だったら無限遠とかね)に焦点を合わせるため固定されるケースが多い。この理由と機械的設計から、フォーカスリングのトルクを重くすることにしたんだよ"

 

"ツァイス側の見解"というのは人によっては貴重で有用かもしれないと思い記載した。機構的な制約に加え「実用上必要なフォーカス変更が少ない」という判断から重くしているようで、十分なトルクはピントの確実な固定に有効という見方もある。

Loxia 50mmのフォーカスリング回転角は180°、一方21mmは90°であり、2倍重いという自分の感覚とツァイスの見解を合わせると、僕としては腑に落ちた。今後、経年での変化はあるかもしれないが、それはそれでレポートしたい。まぁ店頭で触ったものとで明確に差を感じる以上、個体差についても否めないとは思う。サポート氏の素早く明快な返答に感謝するとともにツァイスへの信頼を深める結果となった。

 

「Utulens」とはスペックでも値段でも対極に位置するこのレンズ。こういう風な楽しみ方ができるから交換式カメラは楽しくそしてタチが悪い(沼が深い)。一般的な常用画角とは言えない広角故の難しさももちろんあるがどんどん使って自分のものにしていきたい…!