ZEISS Loxia 2.4/85
好きなフォトグラファー達の「愛用レンズ」「常用レンズ」としてよく登場することから85mmという画角には以前から憧れに近いものを持っていた。それでなくとも家族が主被写体である僕にとって"ポートレートに最適な画角"なんて言われたら、気になってしまうのもむべなるかな...。今回は85mmのおはなし。
Eマウントにおいては現在大人気を博しているらしいズームレンズがあり、単焦点に目を向けると現在のソニーレンズを代表するとも言えるG MASTERに加え、無印85mmの2本がラインナップされている。GMが良いのは当然として、この無印、SEL85F18。個人的にはどんなに写りが良くても重厚長大なレンズは好みではなく、(同焦点距離のレンズとしては)小さく軽く写りも十二分に素敵らしい85mmが当初一番気になっていた。実売5万円代でこのクオリティとはまさに無印良品。
さらに、ごくごく近い90mmのマクロレンズも存在し、こちらは当然レンズ先数センチでのマクロ撮影〜遠距離の人物撮影までこなせる万能選手。リングを前後にスライドさせることでAF/MFを変更できる機構や距離指標の刻まれた本体のつくりも好みだし、マクロレンズはまだ持っていないのでこれはこれで僕にピッタリ!
ヨドバシでソニー純正レンズ触りまくってきたけど、意外なことに90mmマクロが一番ピンときた。径の小さいのに慣れてしまっている感
— kuma_w (@kuma_w) May 6, 2018
が、しかし...
見た目でLoxiaに勝るのは見当たらなかった
— kuma_w (@kuma_w) May 6, 2018
つまりこういうことになった。やはり僕は、今やEマウントに数多ある似通った性質のレンズたちの中でも、(同門ツァイスにだってBatisがある)カタログスペック上では多くのウィークポイントを抱えるこのレンズを選択するに至った。好きなんだもの。
Loxia 21mm/25mm/35mm/50mmについては、ライバルとなるレンズと比べてもかなり小型且つ軽量だったがこちらは594gとそこそこ重い。あと長い。Batis 1.8/85 ならその名の通り開放F1.8、AFに加え手ブレ補正まで積んでいるのに475g!さらに2万円以上安い!!しかし、それでも。
見た目のシンプルさ、手に取った時や撮影で操作する際の感触など、直接写真の出来には関係しない機構/機能以外の点に優位性を見出し選択できるのは、プロでなく仕事にしていない素人ならでは。僕が写真を生業にするフォトグラファーであれば、特に85mmという焦点距離においてこのレンズを選ぶ可能性はほとんどなかったと思う。
操作部はフォーカスリングと絞りリングのみという従来のLoxiaシリーズ同様のつくり。マニュアルフォーカスのみ、控えめなF値という点も同じ。開放F2.4というシブい数値だが、これを2.0に持ってくるとこのバランスで成立させられないんだろう。径を統一させ、その中で可能な限りの光学性能を追求している。(のだと思う。)
ポートレートを載せられず魅力が伝わるかは分からないけど、購入報告だけしても意味はないので写真をば。
85mmでのスナップはひたすら楽しいことが分かった。50mmほどは気楽にやれないけどそのぶんハマった時には気持ちいいんだろうなと思う。まだなかなかそう上手くはいかない。
2度目のアンパンマンミュージアム。本当に楽しい場所です。だだんだん、かわいい。
21mm(ディスタゴン)と50mm(プラナー)に比べ、なんというかしっとりと映るような印象。単純に明るい空を写しても、ほんの少しだけ硬質でどこか重厚さが表現されるように思う。これがゾナータイプの写りなのかしら。フォトヨドバシのRica氏のレビューで言われていることとまさに同じように感じた次第。
安心と信頼のLoxiaクオリティ。本当に好きだ。本当にオススメできる。子供がまだ小さくさほど離れられない僕の場合、21mm/50mmと比べてしまえば85mmの出番は少ないだろうし、望遠側はAPS-Cクロップや超解像ズームで済ませることもできるっちゃできる。でも超広角/標準/中望遠とそれぞれのレンズでしか撮れない写真はやはりあるわけで。
まだまだ知らない写真の世界があって嬉しくてしょうがない。
僕はこの孤高のレンズで85mmを楽しみたい。