いちのみやフォトウォーク
先日、千葉県長生郡に位置する一宮町で開催されたフォトウォークに参加してきた。
「いわゆる写真愛好家たちに町歩きでの写真撮影を通じて地域の歴史や文化に触れてもらい、さらに情報を発信してもらうことが町の魅力を広く知ってもらう足掛かりになるのでは」
というのが今回のフォトウォーク開催の趣旨。九十九里浜を擁する一宮町は2020年東京オリンピックのサーフィン競技会場になっていることもあり、サーファーにはすでに有名なようだが、正直なところ僕はこの町のことを何も知らなかった。千葉に住んでるのに。
そんな土地のイベントに参加しようと思ったのは単純に企画内容が魅力的だったから。一宮町に所縁のある主催者、saka_oymさんと観光局の方々はじめ協力者みなさんの努力に他ならないと思うのだけど、参加無料(!)なのにただの町歩きとは全く違う、現地観光ガイドあり、地酒試飲あり、モデルさんありの超豪華イベントなのだった...!
上総一ノ宮駅からほど近いコミュニティスペース「旧寿屋本家」が、このフォトウォークのベース。早速一宮のキャラクター「一宮いっちゃん」より歓迎を受ける。かわいい。このイベントのために来てくれているわけで、力の入れようが分かるというもの。
一宮町の紹介ビデオ鑑賞ののち町歩きへ。徒歩5分ほどで上総國一ノ宮玉前(たまさき)神社へ到着。ちなみにほど近くには寿屋本家同様、昔ながらの蔵を改装利用した粋なかき氷屋さんがあったり、老舗のお菓子屋さん(今回おやつとして頂いた!)が堂々たる店舗を構えておりすでに見所にあふれていた。
狛犬の表情や手水舎のつかいかた解説がかわいくて素敵。決して大きい神社というわけではないのだけど、これまた見所の多い境内。
そしてこの社殿がもうびっくりするくらい渋くてかっこいい。すっかり好きになってしまった。千葉県内で黒漆塗りで造られているのはこちらと香取神社のみだそう。紙垂の上に見える高砂は日光東照宮の有名な「眠り猫」作者である左甚五郎の作とも言われているそう。こういうのはガイドを聞かなきゃ分からないことで、ただ眺めるだけよりも断然おもしろくなる。
落ち着いた街並みが広がっているばかりかと思えばそんなことは全然なく、一宮駅からそう遠くない場所、それも随所に古刹が点在しており、観光だけのために来ても困ることはなさそうだ。海だけじゃないことがよくよく分かった。
ー快晴のもと思い思いに撮り歩き、再度寿屋本店に集まり昼食休憩。そして地元の酒蔵見学へ!
一宮町の日本酒蔵元「稲花酒造」。ルーツは江戸まで遡る超老舗。そんな酒蔵をなんと基本的に自由に見学撮影していいという。しかも各所の説明つきで。素晴らしすぎるよ...。お酒の仕込みが始まる前の時期ということもあってかなりの範囲じっくり見学させてもらえた。
見て回っているだけで楽しい。蔵そのものも使い込まれた醸造器具の数々もどれも本当に絵になる。これが被写体力というやつか。そして稲花酒造のラインナップのほとんどを試飲出来るというスペシャルイベントが。
いやーもうほんとにね、ありがたく全種類飲ませて頂きました。そりゃもうこうなる。
試飲でやられてしまった。最高。 #いちのみやフォトウォーク pic.twitter.com/4ZnFLEgZHp
— kuma_w (@kuma_w) 2018年11月14日
寿屋本店に帰還後はしばらく自由時間。僕はすっかり気に入ってしまった玉前神社を再度散歩しに行った。一宮川や海岸に足を運ぶのはまた次回訪れた時の楽しみに。
フォトウォーク本編はこれにて終了、茂原の「もんしち」という雰囲気抜群の居酒屋にて参加者同士での懇親会へ。地魚をはじめ、美味しい肴で和気藹々とお話しさせて頂いた。こういう集まりが初めてなうえに知り合いはひとりもいなかったのだけど、プロから学生さんまで、幅広い顔ぶれで写真の話を存分に出来るとは本当に幸せ。楽しすぎて写真全然撮ってないもんね。
普通にガイドのかたの説明だけに聞き入ってしまったり、あるいは構図に悩みまくって所々重要な地点の写真が抜け落ちてしまっていたりするのにまとめてみてから気づいた。もう少し場所場所で何を優先するかを考えればよかったというのが反省点。
単純に自分が楽しいだけになってしまった感があるけど、とにかく素敵な街を知ることが出来て良かった。このエントリからほんの少しでも一宮の魅力が伝わればと。今度は家族を連れて行こうかな。
町歩き中、地元からボランティア同然で参加して頂いたというモデルのかたをあちこちで撮影させて頂いたので、そちらを最後に。家族以外を撮る機会というのはなかなかないので貴重な経験だった。撮影&掲載の許可、ありがとうございました!